水素が「健康にいい」という話を聞いたこともあれば、「水素水の健康効果はまったくなくただの水」という話も聞いたことがあります。研究者やメーカー、医療系の方々、各種メディアにおいても意見は分かれており、論争は尽きません。
消費者からしてみると「水素の健康効果は結局なに?!」という風に、思えてしまいます。「健康に良い」「効果がない」という相反する意見を見てみても、もっともらしいことが書いてあるため、読者は混乱します。
最終的には、消費者が賢くなり、自ら選択するというのが一番です。そのためにも科学的根拠や生理学的なエビデンス、そして様々な研究から、情報をキャッチすることが重要です。
本記事では、水素が健康にいい理由をエビデンスや研究をもとに考察していきます。
ただ、水素という物質が良かったとしても、水素をどうやって体内に運ぶかというキャリア(いわゆる、水素水や水素サプリ、水素吸引器など)や商品によって異なるため、さらなる理解が必要になります。
水素は健康にいいの?!気になる疑問を解決!
「水素が健康にいい」ということを理解する前に、水素の人体における健康に着目した化学的作用を知っておくと、理由がつかめるようになります。
水素(H2)の性質のひとつに、酸素(O2)と結びついて水になるという事実があります。小学校の理科の実験でも行った内容ですが、水素に火をつけると「ポンッ!」という音とともに爆発し、試験管に水滴がついた。
酸素は、私達にとって行きていくために必要な気体で、呼吸を通じて、酸素を体内に取り込んでいます。
酸素を取り込むと活性酸素という物質が発生し、大きく分けると善玉活性酸素と悪玉活性酸素の2種類になります。善玉活性酸素は、人体に良い影響を与える活性酸素ですが、悪玉活性酸素は、人体に悪影響を与えてしまうと言われています。
健康を害する理由!悪玉活性酸素が原因
健康な身体が悪玉活性酸素によってすぐに悪くなるわけではありません。しかし、日々の小さなダメージの蓄積が結果的に大きくなり、不調として現れる頃にはかなり蝕んでいる状況が予想されます。そうならないためにも、早めに対処することが良いでしょう。
ちなみに悪玉活性酸素の影響で、老化を早めたり、癌(がん)や糖尿病、肺炎、心筋梗塞、アルツハイマーなどの病気の原因となったり、シミやくすみなどお肌に関する悩みやトラブルの原因とも言われています。
なぜ老化の原因や病気の素になってしまうのか。それは、悪玉活性酸素の強い酸化力によって細胞を損傷させてしまうためです。
悪玉活性酸素を水素で無毒化することで健康に
水素は酸素と結びつき、水に変えてしまう性質があります。つまり、人体に悪さをする悪玉活性酸素とも結びつき、害のに水に変えてしまうため、老化や病気の原因を根本からアプローチすることができます。
悪玉活性酸素が人体に対し、悪影響を及ぼすものの、日常生活でどれほどの悪玉活性酸素が発生しているかはわかりません。しかし、呼吸だけでなく、大気汚染や紫外線、タバコの煙、電子機器の刺激、過度なストレスなどから発生すると言われております。
様々なストレス影響下にある方ほど、悪玉活性酸素が発生していると考えて良さそうです。
身体に良い作用する善玉活性酸素は残る
水素の作用として優れているのは、身体に良い働きをする善玉活性酸素には反応せず、悪玉活性酸素にのみ反応し、水に変化します。
これは善玉活性酸素の物質と反応する性質が、外部から入り込んだ、雑菌や細菌、ウイルス、カビや微生物などと反応し、殺菌・除去する性質はあります。そのため、水素とは反応せずに共存が可能なのです。
悪玉活性酸素は吸着力が高く、水素との反応性が高いです。
身体の不調の原因となる悪玉活性酸素にのみ反応するため、優秀な抗酸化物質としても認知されています。なお、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなど、抗酸化作用に優れている食品や栄養素は他にもたくさんあります。しかし、これらは善玉活性酸素とも反応してしまうだけでなく、老廃物も参加させてしまいます。
さらには、水素分子の小ささにより、全身の細胞の中にも入り込むことができるため、通常ではアプローチできない脳幹の奥までも届けられるとも言われています。
悪玉活性酸素がどのように健康を害する?!
悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)が、老化や病気の原因ということは前述しましたが、どのようなメカニズムで健康を害すると言われているのでしょうか。
悪玉活性酸素は非常に協力な酸化力で様々な物質を酸化させます。人体で発生するため、その多くは細胞を酸化させます。その結果、細胞が損傷し、病気や老化を促進します。
よく【酸化=錆び】と表現する方もいますが、悪玉活性酸素の影響で、身体中を錆びさせて、正常な働きができなくなるイメージです。
健康維持のために水素を生活に取り入れる方法
細胞も年老いた細胞より若い細胞の方が健康的なイメージが強いですね。細胞を酸化させてしまう悪玉活性酸素を除去することが、健康維持に繋がるのです。
水素は、酸素と結びついて水となる性質を持ちます。さらに、悪玉活性酸素にのみ反応するため、副作用なく働いてくれます。
では、どのように水素を取り込めばよいのでしょうか。
方法は、以下のように分けられます。
- 水素水
- 水素サプリメント
- 水素吸引
- 水素風呂
- そのほか
水素水は飲むことで得られます。水素サプリメントは、液体と反応し水素を発生させる装置を体内に取り込むイメージです。水素吸引はガスをそのまま吸い込みます。水素風呂は、飽和している水素水の中に入り、皮膚から取り込みます。
そのほか、医療用となってしまいますが、点滴や透析を通じて、水素を体内に取り込む方法もあります。
それぞれ違った特徴があります。多くの水素を取り込めるものもあれば、微量になってしまうもの様々です。さらに、選択肢によってはさらに細分化されるため、専門知識がないと、本当に体内に吸収しているのかわからなくなります。
個別に書いた記事がありますので、それらを参考にしてください。
水素の健康効果にまつわる研究やエビデンスはある?!
水素の研究となると、どうしても医療にまつわる研究報告が強くなります。病気の方が医療目的で活用するのと健常者が健康維持目的で活用するのとでは違います。
水素水に関する研究では、日本トリム社が多くを発表しています。日本トリム社は、水素水サーバーのメーカーで、電解水素水に関する研究を盛んに行っています。
http://www.nihon-trim.co.jp/research/thesis_water/
慶應義塾大学の水素ガス治療の研究も進んでおり、概要はホームページに掲載されています。心肺停止時に水素ガスを患者に吸わせ、後遺症を抑える結果になったのは有名です。厚生労働省が先進医療Bとして認可したというのも、慶應義塾大学の研究のおかげとも言えます。
順天堂大学の研究では、水素水とパーキンソン病での臨床実験を行っているなど、各大学で水素と医療の研究は盛んに行われています。
しかし、健康となるとそれほど多いわけではありません。
アクアバンク社と筑波大学が共同研究で行った水素吸引後の身体反応検査では、病気ではない健常者に対して行った臨床実験であるため、健康効果に対しての回答と言える内容でもあります。
しかし、理解しておく必要があるのは、水素に対して何かしらの健康作用があったとしても、水素を体内に運ぶための商品選びには繊細になる必要があります。
知識を身につけることや、企業が行っている努力をキャッチし、信頼できる会社の商品を選択すると良いでしょう。
水素で健康になるためには習慣化させることが大事
水素を活用し、健康になるためには習慣化させることが重要です。水素水であれば飲み続ける必要がありますし、水素サプリメントであれば、十分な水と一緒に飲み続ける必要があります。水素吸引器なら、1日30分など時間を作り、吸い続けること。そして、水素風呂なら、毎日のように湯船に浸かることが鍵になります。
というのも体内に取り込まれた水素は、悪玉活性酸素を除去するために使われ、たちまち消費されてしまいます。そのため、摂取し続けることが重要です。
水素水は生活に取り込みやすい性質はありますが、含まれている水素量が少ないため、どこまで健康をサポートするかはわかりません。
おすすめなのが、水素サプリです。それも長時間安定して発生し続けるサプリメントがおすすめです。水素サプリと一括りにいっても設計思想がまったく異なるため、水素が全然発生していない商品も残念ながら存在します。それも、メーカー自体そのことを知らずに販売し続けているところもあります。
誠実でオープンなメーカーの方が、ユーザーとしては安心しますね。これというものを見つけ、使うことを習慣化させてください。
まとめ
水素を活用し、健康維持するために必要なことをまとめました。水素は、体内で絶えず発生する悪玉活性酸素を除去するために必要な物質です。悪玉活性酸素は細胞を損傷させ、病気や老化の原因物質であるため、できる限り抑えると健康維持に繋がります。
研究論文や臨床実験などのエビデンスは、企業や大学などの研究機関が行っており、人体に対してプラスの作用が働いている報告もあがっています。
しかし、消費者からすると【水素=健康に良さそう=どんなものでもよい?!】と認識してしまいます。そうではなく、自分の生活習慣に取り入れやすく、十分な水素量が得られる水素商品を選ぶと良いでしょう。
水素を生活に取り入れ、健康的な毎日を過ごしてくださいね。