水素を発生させる鉱物の一つにゼオライトというのがあります。別名、沸石ともいわれ日本の各地で産出されるありふれた鉱物で貴金属とは違いますが、生活に密着した素晴らしい効果があると言われています。消臭剤などで見たことある方もいれば、農業用の資材として、知っている人もいます。もちろん、私たち水素業界の人からすると、サプリの原材料表示に登場する成分でもあるため、馴染み深いと言えます。
多岐にわたって使われているゼオライトについて、理解を深めることによって様々な恩恵が得られるというのがわかります。日用品や工業用品など生活を豊かにする側面ばかりですが、こと水素サプリに関して言えば、過去にゼオライトを使用した水素サプリが行政処分が行われ、内容成分を変えざるを得なかったという事例もあります。
今回は、ゼオライトの良さと業界の裏話的なことを交えながらまとめていきます。
ゼオライトのいろは。
1758年にアイスランドの火山岩調査の最中に、スウェーデンの鉱物学者によって発見され、広く知られるようになったと言われています。800年以上も前から使われてきたという話もあるため、ゼオライト(沸石)というのを知らずに先人たちは使ってきたとも考えられます。日本ではかの有名な正倉院に保管されていたようです。学術的には、約260年前から規定されたものかもしれませんが、それより前から、効果は知られていたと思われます。
ゼオライトにも種類は沢山あり、火山灰などが堆積し、凝固した岩石で、結晶の中に微細孔を待つケイ素の一部がアルミニウムで置き換わった鉱石です。似たようなものに、雲母や長石などもあります。
万能で用途が多岐にわたるゼオライト
主成分がケイ素であるため、アメリカのFDAや日本の厚生労働省からも食品添加物として使用が認められており、空気清浄機のフィルター、脱臭乾燥剤、園芸用資材などの空気や水を綺麗にする用途としての使用だけでなく、サプリメントや歯磨き粉、健康水にも使われるなど、体内に入れても安全と言われています。
体内に入る可能性のある場合、国によって使用できる容量は決められております。
驚きの効果を持つゼオライト。奇跡の鉱物として使用されるが……
ゼオライトの性質として、吸着性に優れているということがあげられます。吸水性にも微粒子を吸着させるのに優れ、住まいの環境を良くしていきます。これは、ゼオライトを焼き、中に含まれている水分を飛ばし脱水させると、内部に空洞があらわれます。網目状の微細孔がかなり多く並び、これが様々なものを吸着させるのです。
例えば、水分子であれば、除湿としての効果を発揮するし、臭い成分や住まいの建材におけるホルムアルデヒドも吸着させるため、シックハウス症候群対策にもなります。通常の消臭剤としても活用できるのです。
塩基置換容量が高く重金属や有害物質をも除去。まさか放射能も?
塩基置換容量が高いと言われ、これは、陽イオンを吸着し、または分離させる能力のことで、様々なミネラルやイオンを吸着したり、交換したりし、有害物質(農薬やダイオキシンなど)を無毒化し、プラスイオンを持つ有害な重金属(鉛や水銀、カドミウム、ヒ素など)をも吸着するため、土壌や土地の改善にも使われるのです。
さらには、東日本大震災にて、原子力発電所の事故による放射能汚染の除去にも一定の効果があったと言われています。ただ、結果的に使用できなかった理由としては、何か見えない力が働いたという噂もあります。
吸着剤として優秀なゼオライト。水素サプリや歯磨き粉では?
ゼオライトの性質として、様々なものを吸着させて分離させるということがわかりました。この性質から水素サプリでは、水素分子を吸着させ、水と反応させることで水素を発生させるわけです。考え方としては、サンゴカルシウムを原材料とする設計と同じなため、緩やかに水素を切り離すことができれば、長時間発生させることができます。
マイクロクラスター(フラナガン水素)とは違い、大量に水素を短時間発生することはなさそうです。
ただ、ゼオライトを使用したサプリメントや日用消耗品には、一つ課題が残ります。
食品添加物としての使用は0.5%までと規定
前述したとおり、食品添加物として使用して大丈夫なのは0.5%以下とされています。製造上の工程で、ひとつひとつには差がでてきますが、これは致し方ないことで、国もこれを認めています。しかし、0.5%というとかなり微量な数値になります。
つまり、1g中に、0.005g(0.5mg)になるようにする必要があるとのこと。
ゼオライトのサプリメントと言っても、ほとんど入っていないと推測されます。
ゼオライトの水素サプリが隠匿したくなる課題
ゼオライトを使用した水素サプリを調べていくと、いくつか見つかります。特許を取得したゼオライトと書かれていますが、食品添加物としての規定量を考えると、微々たる量しか使われていないということが推測されます。
実際に、牡蠣殻カルシウムなど水素加工をした原材料を使用しているため、水素が発生するというのは間違いなさそうです。しかし、景品表示的に不安となる問題を抱えてしまうことになります。逆に、その規定を無視して、使っているということなら、厚生労働省の調査が入った時にかなりの痛手を負ってしまうことでしょう。
なぜ、ゼオライトはそんな微量に?!
気になるのは、ゼオライトという成分がそれほど少ない割合のみ認められているかということですが、安全性の問題でしょうか。海外では、日本ほど厳しくなく、十分な量を使うことができるという話もあります。その国の基準によって変わってくることなので、わからないこともあります。
過去にゼオライト入りの水素サプリに対し、行政指導が下された事例があります。その判決では、「現在の日本において、ゼオライトを長期摂取した後、人体に有害か安全かの確固たる資料がない」とのことです。
国からのご指導をいただいた会社は、内容成分量を調節して販売をし直したと2010年の大きな事件として起こりました。
つまり、様々なものを吸着するという優れた性質を体内に取り込むことができれば、水素の恩恵だけでなく、体内に入った有害な物質をゼオライトとともに排出できる可能性があるため、かなり画期的な商品開発がなされると想像できます。
ゼオライトの人体における安全性の研究がどれほど行われているかはわかりませんが、早く判明して欲しいものですね。この事件が2010年のことで、もう8年も前のこと。進展していないということはなさそうですが、もし進んでいないとしたら、ゼオライトの持つ何かしらの力が表にでてくることを恐れていると考えられます。
こんな記載があったら疑問に思え!
ゼオライト関連商品において、以下のような記載があったら疑ったほうが良いでしょう。
ありえません。ゼオライトという物質自体が食品添加物指定なので、メーカー、ブランド、特定の会社は関係ありません。
●弊社のゼオライトは特許取得しているから安全です!
→多くの特許は、機能性ゼオライトの「製造方法」に関する特許で、沢山摂取しても安全というわけではありません。もしかしたら、安全なのかもしれませんが、まだ国からの報告はありませんので、ガイドラインに即した使い方をするべきです。
他にも、メーカーに問合せをした時の回答や対応が疑問に残る場合、本当に大丈夫かを疑ったほうが良いでしょう。
まとめ
ゼオライトの性質とどのような用途で活用されるのか。そして、ゼオライトを使用している水素サプリメントの今についてまとめました。ゼオライトは、食品添加物として、0.5%未満になるように規制されており、それが長期使用による安全性が確認できなかったということです。
ゼオライトを使用したサプリにおいて、行政指導が行われたのが2010年のこと。あれから8年近く経ちますが、進展があるのかは疑問です。エビデンスを求めている企業も多く、本当に進んでいるのかとやきもきした気持ちになります。
ゼオライトを使った水素サプリという言葉に対して、知識を深めると疑問が沢山残ります。
本当にゼオライトは十分な数が入っているのか、明かしていく必要がありそうですね。