先日、水素美容液「リナーシェ ハイドロリッチ」の実験記事を公開しました。その後、メーカーより連絡が入り、再度実験をすることになりました。
前回の測定では、水100ccに美容液を5プッシュずつ(計10プッシュ)溶かし、酸化還元電位と溶存水素の値がゼロとまったく反応しませんでした。しかし、今回新たな商品を送っていただき、再度実験したところ、酸化還元電位は、-501mV、溶存水素は、1,089ppb(約1.1ppm)、そして、溶存水素濃度判定試薬を使用したところ、16滴垂らしても、メチレンブルーと水素が反応し、乳白色のままという結果でした。
今回の測定実験からわかることを考察してみます。
リナーシェ ハイドロリッチは肌の上で水素が発生する美容液
また、前回は、水素化マグネシウムとケイ素が水素を発生させる要因と書いてしまいましたが、正しくは、水素化マグネシウムとほう素含有化合物とのことです。確かに、ほう素含有化合物は、一部、水素商品にも使われている成分で、水と反応することで水素が発生します。
リナーシェ ハイドロリッチは、水素化マグネシウムとほう素含有化合物がもう片方の美容液と混ざり合い、水素が発生する原理です。とはいえ、ほう素含有化合物も調べてみたところ、水素は発生するものの安全な成分かといったら、意見が分かれる成分です。
前回の実験では、水素が発生しない。水素感がないということを書いてしまったため、先に訂正させていただきます。美容成分もたっぷり、水素も発生するというのがわかった以上、水素美容液としてちゃんと謳っても大丈夫でしょう。
では、なぜこういったことが起きたのでしょうか。
考えられることは2つ。製造上の問題。そしてもう一つは、水素水と同様の事が発生
水素が発生しなかった理由としては、大きく分けて2つ考えられます。一つは製造上の問題。もう一つは、時間の経過とともに水素が抜けてしまった。
製造上の問題
前回測定した「リナーシェ ハイドロリッチ」の状況知ったメーカーは、以下のような回答をメールでいただいています。
私は、美容液より水素発生工法にこだわってます。
水素は、ご存じのとおり非常に抜け安く不安定な物質であります。
このことからも、非常に扱いにくいのですが、これが、お肌に入ると見違える肌に変わってまいります。
特殊クリームに水素発生剤を封じ込めて、使用直前に美容液となじます事で、水素が発生して使用出来ればと思い
5年かかりようやくこれで、いけるかと思ったのですが、、、、、、、、、、
言い訳になるのですが、最初にお送りしたのは、混合撹拌にむらがあったのではないかと思います。
今後は、業界の為にも、絶対にこの様な事がないよう努めてまいります。
今後も何卒、よろしく御願い致します。
上記にかかれているとおり、混合攪拌の際にムラがあった。つまり、製造上の問題で水素化マグネシウムやほう素含有化合物の分量が十分でなく、混ぜ合わせても反応しなかった。と推測されます。確かに設計上での実験では、水素が理論的には発生するにしても、商品となった水素化粧品では、担保できないというのもわかります。
そのため、製造上のチェックをしっかりすることを願います。
時間の経過とともに水素が抜けてしまった
水素水と同じように、時間の経過とともに水素が抜けてしまうことも考えられます。水素水の問題は、製造時は酸化還元電位や溶存水素濃度などしっかり測定し、出荷します。しかし、私達の口に入る頃には、水素の量が減ってしまうとよく語られます。一つ一つの分子が細かい水素は、容器を通過し抜けてしまうと言われています。
それと同じように、水素を測定したところまったく反応がなかった前回分の「リナーシェ ハイドロリッチ」は、使われる前に水素が発生し、抜けてしまったというもの。水素サプリや水素入浴剤にもあることで、空気中の水分と混ざり合い先に水素が発生してしまったというもの。
時間の経過かもしれませんし、保存状態かもしれません。何かしらの形で水素が抜けてしまったというのもありえるのです。
水素は非常に扱いにくい成分!一歩間違えたら詐欺になってしまう
あらためて今回の実験で、水素は非常に扱いにくい成分というのもわかります。水素は、目で見えない物質(気体)ということだけでなく、反応しやすく、抜けてしまう(使われてしまう)こと。理論的には水素が発生する設計をしていても、消費者の元に届く頃には水素の表示があったとしても、水素が入っていないという景品表示法違反の詐欺商品になってしまいます。
水素の性質自体、そこまで深く知られていないため、消費者感情が変に先行し、詐欺商品の様に語られ、炎上してしまうことも。そして、水素自体には効果があるのはエビデンスもはっきりしていますが、中途半端な知識のある方が語ることで、業界全体にダメージを負ってしまうこともあり得ます。
厚生労働省が過去に発表した水素商品の勧告についても、簡易的な測定方法で1品だけ測定し、中途半端な情報だけが伝わってしまったと考えられます。なお、信頼のある第三者機関としてよく活用される「食品分析センター」でも、水素の測定はばらつきがあると、言われています。
水素のことをもっと知り、理解を深める事が必要ですし、メーカーだけでなく消費者も賢くなるべきでしょう。
理念とビジョンのしっかりとした会社が生き残る
消費者が賢くなるということは、水素について深く知るだけではなく、どのようなメーカーを選ぶかも大事でしょう。単純に公式発表されている情報を知るに付随し、どういった情報があるか。そして、メーカーとやり取りをした時にどのような反応をするかによって変わってきます。
リナーシェ ハイドロリッチのメーカーである株式会社ラディエンスジャパンは、前回の掲載に対しても真摯に向き合い、原因を究明しようとする姿勢が素晴らしいように感じました。前述したとおり、水素は扱いにくい成分で、測定値に関して、よく見せたりごまかしたり、変に誤解を与える情報を公式発表としている会社もあります。
以下は、メーカー様からの情報ですが
弊社での水素の計測ですが、メチレンブルーの試薬検定容器に3ml+3mlをいれまして、測定をしたのですが、立ち上がりで 溶存水素濃度:1,000ppb~ ORP値(酸化還元電位):-250mv
この測定値から、少し抜けて安定値ですが
溶存水素濃度:600~800ppb
ORP値(酸化還元電位):-150~-250mv
上記は、今回測定した値とさほど変わらなかったり、それ以上の測定値を出したこともありました。もちろん、測定器をはじめとした測定環境によって、数値のばらつきはあるものの、近い値のため、真実を語っていると考えられます。
不都合な事実が出てきたときに、どのような対応を取るかによって、その会社の質が問われますね。このことは、情報発信組織でもある弊社にも言えることですが。
まとめ
水素美容液「リナーシェ ハイドロリッチ」に関して、再度実験を行いました。今回の実験は、メーカー様の紳士的な向き合い方によって実現したものです。
前回測定した値は、まったく反応しないものでしたが、新たな水素美容液においては、予想を遥かに超える値が得られました。水素化粧品は製造するのが難しく、値も高くならないと言われています。リナーシェ ハイドロリッチの優れた点として、美容液を2つに分けて使用する直前に水素を発生させる美容液を作るという設計です。
美容成分が肌に浸透するとともに、水素も細胞に入り、抗酸化作用や悪玉活性酸素を除去し、肌の状態をさらに良いものへと仕上げてくれることでしょう。信頼できる水素化粧品を使い、年齢より若く見えるお肌を作り上げたいですね。