水素水で業界が荒れ、エセ科学、効果なし、水素は抜けるからただの水などと言われてから、数年が経ちました。
市販の多くの水素水は、ガスを充填し、圧をかけて不安定な状態で存在しているため、蓋をあけるとたちまち抜けてしまいます。
このガス充填方式では、水素ガスを水とともに飲むというのが、水素水と思われています。そのため、ガスを吸入するほうが、水素水を飲む何倍、何十倍もの水素が得られると言われるのです。
水素水サーバーの多くは、水に水素ガスを噴射し、瞬時に水素水をつくるという方法を取っているものもあります。
工場で水素ガスを注入しているか、その場で水素ガスを注入しているかの違いくらいで、水素が抜けやすい性質を持っているため、できる限り、時間を置かないほうが良いでしょう。
水素水は、実はこれだけではありません。
医療の現場でも使われている日本トリム社の整水器に見られる、電解水や電解水素水と呼ばれるアルカリイオン水は、水を電気分解する際に、陰極側で得られる水素と水酸化物イオンが含まれた水なのです。
その他、マグネシウムを水に入れることで水素を析出させる方法もあります。水素水メーカーというジャンルで、スティックタイプの商品が見受けられます。
さらに近年では、ナノバブルの技術を応用したナノバブル水素が誕生しています。ナノサイズ(10億分の1)の微小な泡に水素を閉じ込め、水中内を漂う技術。泡同士は、電荷を帯びているため反発しあい、衝突しないため、長い間存在し続けられるものです。
水素水とひとくくりに言っても、たくさんの種類があり、微妙に異なる性質を持っています。
水素を得るという目的は、全て同じではありますが、得られる量は異なるため、生活に取り入れる場合は、違いをしっかり理解しておく必要があります。
本記事では、水素水の種類をきっちり分け、どういった特性が存在するのか、あらためてまとめていきます。
また、水素水業界における2021年版の最新情報も織り交ぜていければと考えています。
健康に気を使うためには、口にするものを変えるというのはある意味正しく、普段使っている飲水を変えていこうと思っているならば、役立つ内容でしょう。
水素水の種類!大きく分けると5種類も存在。結局何が良いの?
水素水は大きく分けると5つあります。
- 1.水素ガス充填方式
- 2.マグネシウムを活用し水素を析出
- 3.電解水素水
- 4.ナノバブル水素
- 5.天然活性水素水
です。
それぞれ、細かく見ていきましょう。
1.水素ガス重点方式
水素ガス充填方式は、伊藤園の「おいしい水素水」アルミボトルやアルミパウチタイプのものに多く見受けられます。水素水のイメージを世の中に定着させたのが、このタイプの水素水です。
後に出てくる天然活性水素水の方が、このタイプの水素水より何年も前に商品として売りに出されていますが、その頃は、身体に良さそうな水と思われていたくらいで、水素が人体に対してどういった作用があるか、わかってはいません(今でも、正確に理解している人は少ないでしょうけれど・・・)。
水素ガスを水に充填させると、一時的には水の中にガスが入り込みます。時間とともに徐々に抜けていき、やがてただの水へと変化していきます。
水素という分子は、とても軽く多くの物質を通り抜けるためです。水素水の多くにアルミを採用しているのは、アルミが水素を閉じ込めていくのに有効であるからです。とはいえ、アルミボトルも万能ではなく、ちょっとした空気に水素が溜まり、開けた瞬間、抜けてしまうからです。
空気が入らないようなアルミパウチも採用されていますが、キャップ部分はプラスチック素材であるため、そこから徐々に抜けてしまいます。
ボトリングされた水素水は、工場では飽和状態の水素水(限界まで水素が入った状態)だったとしても、お店の棚に並ぶ頃、そして、購入する頃、さらには飲む頃には、水素が徐々に減ってしまい、3分の1以下になってしまいます。
飽和状態が、常圧・常温にて1.6ppmとするならば、0.3~0.5ppmまで落ちると言われていますし、開けた瞬間、微量な水素もどこかへ消えてしまうかもしれません。
それくらい、水素水はデリケートなものなのです。
なお、水素水サーバーや水素ガス吸入器にて発生した水素を活用して水素水をつくるケースなど、その場で水素水ができ、飲む場合は、比較的高い濃度(とはいっても水素水の中では)の水素水を飲むことになるでしょう。
常温・常圧では1.6ppmと伝えましたが、中には気圧を高めて1.6ppmを超える濃度の水素水と謳っている販売会社もいます。それは、気圧を高くして理論上は濃度を高めているに過ぎません。開けた瞬間、気圧は元に戻りますので、結果、水素は抜けてしまいます。とはいえ、長らく高い圧力がかかった状態で維持していたため、常圧の水素水より、濃度が高い可能性はあります。
水素ガス充填タイプの水素水の場合、高いお金を払ってまで飲むべきかというと、難しいところです。通常のミネラルウォーターと同等の金額であるならばお得に感じるかもしれませんが、高い場合、差額を計算してみると、ほかの方法で水素を得ていたほうが安くなるケースもあります。
手軽でいつでもおいしい水が飲める水素水サーバーが、理論上はお得に感じますね。ただ、手入れやメンテナンスが面倒という人は、難しいかもしれません。
あと、水の場合気にしたいところは、どこの水を組んできたかです。水素水となると、ナチュラルウォーターでもナチュラルミネラルウォーターでも無くなります。ミネラルがたっぷりと入った水に対し、水素を充填しているなら、ミネラル摂取の観点でも、水素水を選ぶのも悪くはありませんが、濾過し不純物を取り除いた水の場合では、人体に対して有益なミネラル分もなくなってしまうため、もったいないです。
マグネシウム反応水素水
ガス充填タイプの水素水で、コスパに優れいるのは、ウォーターサーバータイプのものです。ウォーターサーバーもタンクのものと水道直結のものとに分かれますが、それでも1杯あたりの金額はかなり安くなります。本体価格がその分高く、1杯あたりにどう上乗せしていくかによって変わってきますが、それでもボトリングされた水素水より十分安いでしょう。
それに匹敵するコスパを誇るのが、水素水スティックというジャンルの水素水メーカーです。
主成分のマグネシウムが、水の分子内のO2と反応し、水素が析出します。
スイッチを入れて数十分後には水素水が・・・という触れ込みで宣伝されていますが、手軽さと短時間で水素水ができる。どこでも飲めるというメリットだけ伝えられているように感じます。
化学反応によって水素が得られた場合、同時に副産物も生まれます。水とマグネシウムが反応し、水酸化マグネシウムが生まれます。
水酸化マグネシウム自体は、整腸作用等あると言われているため、問題はありませんが、必要以上に摂ってしまうことにも繋がるため、気をつけた方がいい場合もあります。
ミネラルは、様々な種類がバランス良く存在していてこそ、プラスに働きます。逆に特定のミネラルばかり摂っていると、弊害も生じます。
また、マグネシウムと液体を反応させるわけなので、水であれば大きな問題にはなりませんが、お茶やコーヒーなどの液体と反応させた場合、どのような物質が出来上がっているか不透明な部分もあります。
使い方には十分に注意しましょう。
なお、1回、2回くらいでは問題は起こりませんが、水という性質上、飲み続ける場合、ずっとそれを活用するはずです。長年の蓄積がどのようになるかはわからないこともあるため、十分に気をつけましょう!
電解水素水
電解水素水は、別名、電解水、アルカリイオン水などと言われたりします。とはいえ、アルカリイオン整水器のすべてが、水素を作り出しているとは限りません。
アルカリイオン水は、液体の中にマイナスの電荷を帯びたアルカリイオンが多く含まれ、PHもアルカリに傾いている状態です。一般的には、水を電気分解すると、酸素と水素に分離するだけでなく、OH-(水酸化物イオン)も発生します。アルカリイオン水として売られているペットボトルの水は、水酸化物イオンが残り、pHが弱アルカリ性に傾いたものです。
家庭用整水器のように作ったあと、それほど時間が経っていない場合は、水素も残っているでしょう。整水器のタイプはいくつかあり、どれも等しく水素が残っているかは不明です。
整水器の仕組みは、水を電気分解し、発生したイオンを、陽極と陰極に分け、陰極側に集まったマイナスイオンが豊富な水を取り出したものです。ちなみに、性質上プラスイオン(陽極側に集まった水)も取り出すこともできます。
水素水整水器業界の中では、日本トリム社の水素整水器が一番有名です。
医薬品医療機器等法(旧薬事法)にて、胃腸症状改善の効果が認められた家庭用管理医療機器であると発表されています。人によっては、お腹がゆるくなる可能性もあり、使用者の体調次第によっては、控えた方がいいケースもあります。
また胃腸症状の改善が見られたからといっては、それは水素の効果であるとは述べていません。出来たての電解水であれば、水素は残っている可能性はありますが、ほかの水素水と同じように取り扱いはきっちりした方が良いでしょう。
ナノバブル水素
ナノバブル水素は、ナノバブルという極微小な泡を発生させ、その内に水素を閉じ込めたものです。ナノバブルは電荷を帯びているため、お互いが反発しあいぶつかることはありません。その結果、長時間水の中に水素を保持することのできる技術です。
マイクロバブルやナノバブルといった、微小な泡を活用する技術は、確立されてきました。その技術を応用して出来上がったのが、ナノバブル水素です。
ちなみにナノバブル水素とほかの水素水との大きな違いとして、水素が入っているかの測定が困難なことです。
水素を測定する場合は、ORPメーター(酸化還元電位測定器)、もしくは水素濃度測定器、メチレンブルー試薬など使いますが、どれも反応しません。
そのため、エビデンスを求められると苦しい点もあります。
天然活性水素水
天然活性水素水は、日本の商品では日田天領水に見られるような天然水です。人工的に添加した水素とは量が異なるため、どれほどプラスに働いているかはわかりません。また、ORPメーター(酸化還元電位測定器)や水素濃度測定器、メチレンブルー試薬などを使用しても、反応はありません。
ちなみに活性水素とは、紫外線照射や放電などにより、分子の結びつきがなくなり、原子状水素となったもので、ほかの分子にくっつきやすいという性質を持っています。
天然と書いたのは、入手しやすいブランドのものが天然の活性水素水だったからで、人工的に作られた活性水素水も存在はします。かなり高価な金額で売っているため、気軽に使うというのはハードルが高いかもしれませんね。
まとめ:水素水を取り入れる目的をあらためて考える
水素水の種類について、大きく分けて5つあると紹介しました。
水素ガスを充填したもの、マグネシウムと反応させたもの、電解水素水、ナノバブル水素、活性水素水と分かれます。いずれもそれぞれ特徴があり、使い続けることが大前提となります。あまりに高価なものだと続けるのは困難です。
水素水は、どうしても抜けやすく、できるなら作りたての水素水がベターです。それを考えると、水素水サーバーもしくは、アルカリイオンが整水器がベターかもしれません。
水分補給と一緒に行える水素水は、一度選んだら長く使うものとなります。生涯使用するコストを考え、使い続けられるものを選びましょう。