本日15時頃消費者庁の発表で、株式会社マハロ「ビガーブライトEX(清涼飲料水)」、株式会社メロディアンハーモニーファイン「水素たっぷりのおいしい水(清涼飲料水)」、千代田薬品工業株式会社「ナチュラ水素(水素サプリ)」に対し、景品表示法に関する措置命令を出しました。
水素水や水素サプリメントを摂取するだけで、あたかもダイエット効果など得られると消費者にとって優良誤認させるような表示をしていたとのこと。
株式会社マハロ、株式会社メロディアンハーモニーファイン及び千代田薬品工業株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
上記三者から提出された資料からは、ダイエット効果などの合理的な根拠の裏付けとなるものが認められなかったそうです。会社側としては、自分たちで用意していた資料が、信頼性のある資料だと思い込みながら水素水や水素サプリを作っていたことだろうか。
水素関連商品が消費者庁に処分されたことは残念なことですが、中にはしっかりとた商品開発や活動をされている会社もあります。今回の件を紐解いてみます。
【水素水】ビガーブライトEX(株式会社マハロ)の件
平成27年7月~11月15日までの「水素水:ビガーブライトEX」広告表示において以下の表示があったそうです。
「水素水ってダイエット効果がある!?」「あります。水素はエネルギー生成の役割をす
るミトコンドリアの働きを活性化してくれます。」「代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすく、太
りにくい身体へ変わることができます。」等、表示しておりました。
引用:水素水「ビガーブライトEX」広告表示に関するお詫びとお知らせ
また、消費者庁に提出した書類からも水素水「ビガーブライトEX」がダイエット効果があるという根拠は示されなかったことでしょう。
【水素水】水素たっぷりのおいしい水(株式会社メロディアンハーモニーファイン)の件
平成26年10月10日~平成28年3月13日までもの間、「水素水:水素たっぷりのおいしい水」において、以下のように広告表示をしていたそうです。
「高濃度水素のものすごいパワー!」と表記し、「ヒドロキシラジカルを消去、ダイエットに興味のある方、デトックスでサビを落としたい方、美容にもお勧め……」と表示しておりました。
「水素の作用でキレイになれる!」「やせ遺伝子スイッチをオン、活性酸素の産生を阻害、炎症やアレルギーを抑える!」などとも表示。
引用:水素水「水素たっぷりのおいしい水」広告表示に関するお詫びとお知らせ
株式会社メロディアンハーモニーファインの実験データとしては、病気の方や動物実験でのデータだったそう。こちらの発表に関しては、平成28年9月2日の発表と消費者庁の3社に対しての処分から半年も前のことです。
【水素サプリ】ナチュラ水素(千代田薬品工業株式会社)の件
平成25年6月13日から平成27年5月12日までもの間、以下の表示をしていたそうです。
「3ヶ月で5キロ!とっても軽くて嬉しいです。水素ダイエットを試してよかった!」、「燃焼ダイエット」、「水素のココが凄い!普段の食事のまま出来る”水素ダイエット”がTVで話題に!!」、「燃焼力が強い『水素の力』をあなたも実感ください。」、「テレビでも紹介された様に、最近人気の水素ダイエット。水素には余分なぶよぶよを退治する働きが!!年齢を重ねていくうちに堕ちていく基礎代謝をカバーする為にも水素でしっかりサポートしていきましょう。」など、特段の運動や食事制限をすることなく、痩身効果が得られうような表示をしていた。
現在のナチュラ水素のホームページでは、ダイエット効果に関する表記はありません。3年以上もの前の広告表示に関して、景品表示法で違反で行政処分と改善命令をするというのは驚きです。
商品に関するエビデンスは少ない?!
これらの消費者庁からのご指導は、根拠のない広告表示に関してです。処分された三社は、水素水に関する論文や実験データ等の確認不足、ホームページへの掲載に至るまでのチェックに関して、怠っていたという。
水素に関するダイエットに関する臨床データはあるのかもしれませんが、商品としてできあがった水素商品において、ダイエット効果があるというのは無茶な論理です。そもそも水素水においては、製造の過程で水素を充填しますが、時間の経過とともに水素が抜けてしまうことも問題です。
また、活性酸素を除去するくらいの水素を得るためには水素水に含まれている濃度や量では、不足している可能性もあります。また、ダイエット効果があるというのも、水素だけでダイエットするというのも無理があります。
ダイエットの基本は摂取カロリーと消費カロリーのバランス
ダイエットの基本は、摂取カロリーにあります。水素を多く取り入れたからといって、劇的に消費エネルギーが増えることはないでしょう。基礎代謝が上る可能性もありますが、例えば100kcal増えたとしても、摂取カロリーのことを考えない限り、痩せることはありえません。運動や食事制限を行いながら、カロリーコントロールを行い、ダイエットしていく必要があります。
まとめ……水素商品のこれからは信頼性が一番重要
今回、消費者庁より景品表示法違反に関する措置命令を出したことにより、水素商品を扱うメーカーや販売会社は、より繊細な広告表示を行う必要性があります。特に効果表示などのエビデンスにおいては、実際の臨床実験データを使用して欲しいものです。
水素に関する効果効能は確かに多くの論文で発表されていますが、特定の商品に関しては、わからないことも多いです。消費者もしっかり知識を身につけて、自分のライフスタイルを良くしていくための水素商品を見つけていきましょう。
それにしても、かなり前の広告表示も後になって問題を表にする消費者庁のスピード感はいかがなものなのか。