明るい未来に期待!24時間耐久レースで完走した水素エンジン自動車

暗いニュースが多い中、明るい未来を予感させるニュースが紙面を踊りましたね。

トヨタの水素エンジン自動車が、24時間耐久レースで完走して、数々のデータを残したというニュースです。

このニュースを見た時、嬉しく思いませんでしたか?

連日ニュースを賑わせているのは、東京五輪に関することやワクチンに関すること。どちらかというとネガティブな内容が多く、嬉しいニュースというのが、メジャーリーガーの大谷選手などの活躍など、スポーツにおけるヒーロー・ヒロインの話題かなと。

人ではありませんが、今回の水素エンジン自動車が24時間耐久レースに出場し、完走し、数々の記録を残してくれたというのも、ある種のヒーローのようなものです。

このニュースがなぜ期待させてくれるのかについて、考察していきます。

社会が期待することと国民が期待することの違い

水素エンジン自動車が完走したということは、一見、関係者のみが喜ぶようなことの様に感じます。しかし、こういった実績の積み重ねが将来、私たち国民の生活に反映されると言っても良いでしょう。

なぜ、喜ばしいことなのかを考える前に、社会が期待していることと、私たち国民が期待していることについて考えてみましょう。

期待することと書きましたが、目指していることと置き換えてみても良いかもしれません。

社会が期待すること・目指していること

社会の目標

社会をどの範囲で考えるかによって少し変わりますが、世界の目標として、クリーンなエネルギー技術を開発し、脱炭素社会を目指す。というものがあります。

生活になくてはならないものとなった電気を生み出すためには、化石燃料等に頼っている状況が長年続いています。しかし、第二次世界大戦後、急激に発展したのは化石燃料のおかげでもありますが、代償として地球温暖化が進み、このまま使い続けていったら地球環境が持たないという視点があります。

それだけでなく化石燃料にも限りがあり、このまま使い続けると将来的に枯渇してしまうという問題解決にも繋がっています。

持続可能な社会の実現を目指そうと2010年代中盤頃から語られるようになってきましたね。

今回のテーマである自動車分野においても、排気ガス(CO2)が出る自動車から、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)へ切り替えていこう。その過程で、排気ガスが抑えられるハイブリット車も誕生しています。

つまり、地球環境に配慮するため、産業を改革していこうという真っ最中なのです。

世界を例に取りましたが、日本の場合は、世界と足並みを揃えるだけでなく、エネルギーを得るためには、輸入に頼らざるを得ない事情があります。石油・石炭・天然ガスなど、エネルギー分野を支えている多くが外国からのもので、一部太陽光や風力、水力、バイオマスなどのクリーンエネルギーは、国内でも導入されつつありますが、大部分を賄うには頼りないのです。

そこで、国家戦略として水素社会実現のため、水素エネルギーの開発に注力しています。国力を回復させるための技術開発といってもいいでしょう。

人々が期待していること

人々が求める豊かさ

社会が目指すべきことに共感・賛同しつつも、個々の存在となると、一言で表すと生活が豊かになるということです。

今を生きる人々にとって、未来のことも考えるべきだとは思いますが、優先順位として高いのは「今」です。

例えば、車であれば、従来のガソリン自動車も十分使えるから良いじゃん。自分ひとりぐらいは大丈夫って感じてしまいますし、電気においてもエネルギーのクリーンさ以上に安さを求めます。

長年積み重なってきた技術においては、コストダウンも十分に果たしているため安いのです。新しい技術ともなると、量産体制が整っていないこともあり、どうしても高くなってしまいます。

多少高くても未来のためなら我慢できるという人は良いでしょう。そういった方は少ないはずです。

だからこそ、補助金等が用いられ、実質負担が従来のものと近くなれば、ようやく選ぼうかということに繋がります。

ちょっと話を戻しますが、生活が豊かになる。といっても、クリーンなエネルギーが実現されたとしても、直接的に恩恵を感じることは少ないかもしれません。

季節通りの過ごしやすさが取り戻せれば嬉しいと考えますが、冷暖房を活用することにより、最悪なんとかなる!という見方もできます。

社会が目指していることと、個人が目指していることに対し、食い違いがおきてくるのです。

だから自分にとって関係ないと思ってしまうと無関心になり、もったいなく感じるのです。

それを踏まえて、今回の24時間耐久レースでの完走結果が凄かったのか見てみましょう。

水素エンジン自動車の各種数字

24時間耐久レース後に、トヨタ自動車の豊田章男氏によって、以下のデータが公開されました。

周回数:358周
走行距離:1,634km
走行時間:12時間
水素充填回数:35回
水素充填時間:4時間

レースの完走というより、まるで走行テストという見方もできますね。

レース視点で考えると、平均速度136km/hものスピードで走りきったということが目に行きそうです。実用的という点で考えるのであれば、1回あたりの水素充填時間が8分弱という結果です。

さて、今回レースを走った水素エンジン自動車は、もちろん通常の燃料電池自動車ではありません。調べてみると、水素タンクに積んだ圧縮気体水素を燃焼させて動かします。なお、水素タンクは大小4本からなっているそう。

それでも、水素タンクに圧縮気体水素を充填させるのに、8分弱というのはかなり早く、大小4つを同時に行ったのであれば、かなりのスピードになります。

今回の水素エンジン自動車は、燃料電池車と機構が異なりますが、燃料電池においても、充填時間は短く、良いところを取ったように感じます。

実は、電気自動車(EV)ではこんなにも早く充電できません。

EVの場合は、短距離を走るのには優れていると言われており、家でも充電できる気軽さが優れている点でもあります。

スマートフォンと同じ様に、寝ている間に充電して、翌日に利用するという方法が現実的な運用方法です。
今回の水素エンジン自動車の場合、ガソリンエンジン自動車よりも燃料が3分の1程度しか詰めないというハンデがあったとしても、完走しきれたという事とレースに臨んだ方々のスキルがあってこそのものだと思います。

レースにおける分析は、専門ではないため、簡単にしか書けませんが、新しい水素エンジンが実用に耐えうるものに仕上がっていることに関心が持てます。

燃料電池車や電気自動車の現在地

2021年の現在地

地球環境に配慮するため、EVやFCVを普及させていこうというのであれば、徐々に移り変わっていきますが、現実的な問題としてまだまだ普及には時間がかかっています。

2つを比べるのであれば、電気自動車の方が一歩リードしているようにも思えますが、燃料電池車が伸び悩んでいるのは、燃料である液化水素を充填するための水素ステーションの普及が進んでいないからというのが言えます。

インフラ整備が徐々に進んでくれば、燃料補給に対し困らなくなるわけですし、災害大国日本において、臨時的に給電できるFCVはかなりありがたい存在になるのです。もちろん、EV車も給電はできますが、空になると充電するための電気が賄えないという問題点があります。

あとは利用者が、FCVに乗り換えていくということですが、補助金等を厚くして、普及率を増やしていく戦略がベターですが、2020年からコロナウイルスの関係で、一部の経済が停滞し、ある意味それどころじゃないという方々もいるはずです。

産業としては停滞しつつも、技術としては進化しているというのが、今回の朗報でもあるのです。

国全体として、早く正常化を果たし、明るい未来を創るための下地作りへと戻していく必要があります。

コロナ禍でできることは何か?!

なかなかニュースには出てこないものの、(当然といえば当然なんですが)水面下では技術開発が行われており、期待できる未来が待っているように感じます。

私たちができることは何でしょうか?

将来、実現化する技術を反発するでもなく単純にワクワクしながら期待して待つということです。そのためにも、自分の周りの健康には気を使いながら、耐え抜くのです。

確かに、文句も言いたくなるような事柄が多いし、受け入れがたい事情があれば、ほかに当たりたくなる気持ちもわかります。

今できることに集中して、良い社会を作っていくための、いい人になっていきたいものですね。

まとめ

水素のエネルギー分野やエネルギー活用という視点で広げていくと、明るい未来を期待させる事象がたくさんあります。

今回のトヨタの水素エンジン自動車の24時間耐久レース完走というニュースも、いいニュースだと言えます。

技術的にはすごいことですが、触れてこなかった人々からすると、凄さがいまいち伝わってきません。

それ以上に「私たちの生活にどういった影響があるか!」ということの方が関心が高いでしょう。

クリーンエネルギーを使った自動車をはじめ、交通インフラが増えてくれば、地球環境に与える負荷は低減し、夏が近づくと悩ましいと思える暑さが少しでも和らぐのではないかと期待します。

そのためにも日本発の大事な産業においては、温かく見守っていきたいものですね。

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