水素水の問題を始め、水素業界は定期的に問題が起きてしまう。そのたびに、「水素水は効果があるの?」とか「水素水を使っても意味がない」など、水素の効果・効能と水素水が混じってしまって、論点がおかしくなってしまうこともしばしばあります。
確かに、水素の特性として、水に溶かして飽和状態にしたとしても時間とともに徐々に抜けてしまうのが実情です。多くの水素水は、どんなにパッケージに工夫を施していたとしても抜けてしまう可能性があります。パッケージ内に入っている空気に水素が集まり、蓋をあけた途端に「プシュ!」っと水素が抜けてしまいます。そのため、パッケージに印字されている水素濃度と実際の水素濃度が異なり、トラブルに発展します。消費者は中に入っている水素を期待して水素水をはじめとする水素商品を購入するため、このような状態が起きるには景品表示法的に問題があります。確かに、製造時やら充填時と書かれているものの、消費者はそこまで見ているとは思えませんし、騙されたと被害者意識が生まれてしまいます。
水素業界の問題は、ちゃんと評価する機関が存在しないこと?
ここで問題なのは、表示されている水素量と実際の濃度の水素量が違うことで、多い分には文句を言う人はいませんが、少ないとそもそも効果が期待できないというように思われてしまいます。
そのことが独り歩きし、水素は効果なし……と。
知識のある方からしたら、水素は医療にも利用されているし、活性酸素を除去してくれる(酸化した細胞を還元してくれる)ことや運動時の乳酸値が上昇しにくい、代謝が上がることによってのダイエットや基礎体温が上昇することによっての予防など。さらには、人体に対する副作用はないということ。
調べれば調べるほど、水素のメリットは上げられます。
問題なのは水素のメリットがあったとしても、水素水や水素サプリが期待しているレベルの水素を発生させるかということです。水素商品によっては、数字を出さないところもあれば、実際に検査をしたとしても専門機関による高額な検査方法をせず、リアルの数字が測れないような測定法で検査し、信頼できるとはいえないような数字を公表している商品。原材料メーカーの数字を引用し、あたかも効果が高いように見せかけるなど、調べれば調べるほど驚くべきことがわかってきます。
水素を評価する第三者機関を調べてみると幾つかはあるものの、水素水なら水素水の団体。水素サプリなら水素サプリの団体など。トータル的に評価する団体は今までありませんでした。
水素業界をより健全に導こうと評価する機関が誕生しました。その名も「国際水素規格協会」です。
【国際水素規格協会(WHSA)】水素商品の特性にあった検査・試験・評価をする第三者機関
国際水素規格協会(World Hydrogen Standards Association:AHSA)は、2015年に「水素製品の懇談会」として任意団体として活動を始めたのち、2016年12月に一般社団法人としてスタート。
ホームページを見ると、水素のことについても書かれており、これから水素のことを知りたい方にとってわかりやすい説明がされています。団体としての活動を知ることができることや業界ニュースを発信しているなど、水素の気になる情報をキャッチすることができます。
法人向けの活動は、水素水や水素サプリメント、水素吸入器など水素を発生させる商品の測定を依頼できます。消費者の目も肥えてきたため、実際に発生する水素商品であるかを知ることが大事で、信頼性のある商品のお墨付きを貰うことができます。
消費者としては、国際水素規格協会が実測した数値を見える化していくとのこと。数値だけでなく、使われている原材料の成分分析や原産国証明、品質や安全性に関して。知りたい情報が開示されるのはとても良いことですね。
国際水素規格協会が行う水素製品の検査項目に対しては以下のとおりです。
- NAD+報告書
- DPPH測定
- 溶存水素量
- 水素イオン指数
- 酸化還元電位
- 過酸化物価
- ORAC値
- マウス実験
単純な水素量だけでなく、ORAC値(抗酸化力を数値化したもの)や過酸化物価(油脂商品の酸化度を調べる検査)までも検査しているのはすごいですね。水素商品の中では、単純に水素を発生させるものではなく、プラスαで栄養を摂りたいという方向けの製品もあります。水素プラスαの商品に関しても細かく知れるのは嬉しいところですね。
試験方法は、体内ガス量測定、マウス試験、NAD試薬検査、DPPH測定、酸化還元電位測定など、あらゆる角度から測定・試験をしてくれます。これらの試験はかなり高額な試験も含まれているため、水素商品を産み出している企業の自信も推し量ることができます。
まとめ……水素もちゃんとしたものが評価される時代へ
水素水や水素サプリ、水素吸入など様々な形で水素を取り込めるアイテムがあります。水素はいいものなのに、水素商品が本当に期待できるものなのかわからないことが多く、企業の発信する情報を真に受け、使い始めこんなものなのかな?と疑問に思ってしまいます。そして、ネガティブな情報が入ってくるとその情報も真に受けてしまい、結果的に水素商品を疑うことになってしまいます。
しかし、第三者機関が試験して実測した数値や検査結果がわかり、お墨付きが得られれば安心して使うことができます。まだスタートしたばかりの団体ですが、多くの水素商品がわかるようになれば安心できますね。
住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階
TEL:03-8789-5422
FAX:03-6685-7784
各試験所:NAD+報告書(都立/県立)、DPPH測定、マウス実験、体内水素ガス量
各分析センター:水素イオン指数、酸化還元電位、有害物質・微生物等、トランス脂肪酸、放射能検査/重金属、栄養成分/元素/X線スキャン、過酸化物価、ORAC値(活性酸素吸収能力)
検査と標準化:認知症予防マーク、WHSAマーク、簡易データ作成
広報部:ポータルサイト、ポスター、健康博覧会出展、シンポジウム開催、機関誌発行、専門誌等への掲載、国際交流