2017年12月14日の訪販ニュース紙に水素サプリに関する驚くべき、研究報告が掲載されました。10月29日~30日に行われた「日本分子状水素医学生物学会」の研究報告で、発表者は20年以上にわたって水素分子の医療利用に関する研究開発を行っているMiZ株式会社の水素サプリに関する内容です。
以前でも、水素マガジンでは水素サプリの原材料に関する警鐘を記事にさせていただきました。
今回の発表で、そちらの疑惑に関する裏が取れた形になります。とはいえ、商品名を名指しで出しているわけではなく、「インターネットでよく見かける水素サプリ」とだけ書かれています。まだ、闇の中……というわけですが、おそらく国も動き出しているのではないでしょうか?
今回の発表と今後起こること、そして消費者は何を基準に選べば良いのでしょうか……。
事実なら人体への被害も広がる可能性あり?!
学会発表の内容は、市販の水素サプリメントの分析結果に関して、以下のような発表をしました。
水素を発生する成分を原材料名として表記せず、商品の原材料名欄には水素が発生するとは思われない製品が散見されている。
つまりどういったことか。一般消費者からすると、水素化◯◯という水素化化合物の表記があって、はじめて「あー、これから水素が発生するのか」とわかります。原材料名として、「水素」とのみ記載されており、気体である水素をどうやって、原材料として使っているのか疑問が残ります。
さて、今回の研究では、水素を発生させている成分を特定するために、水素化マグネシウムや水素化ホウ素ナトリウム、もしくは水素化ホウ素カリウムの存在の有無を測定したとのこと。
水素化化合物は厚生労働省の食品添加物リストにない
水素化マグネシウムや水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムは、厚生労働省が定める食品添加物のリストには記載されておらず、これが事実なら食品衛生法や景品表示法違反の可能性が高くなります。このまま行くと、国からのご指導や行政処分等も下される可能性が高いでしょう。
しかし、行政による動きは遅く、十分な時間をかけて調べ上げてから行動に踏み切るため、下手をすると数年先かもしれません。行政指導に関する記事は、水素マガジンでも取り上げましたが、3年前の広告表示に対して、処分を下していたため、それから推測すると早くても今年、もしくは来年には一般消費者に伝えられるかもしれませんね。
マグネシウムはミネラルでもある!ホウ素は劇物!
ミネラル分としても、人体にとって必要なマグネシウムは、まだ良さそうな気もしますが、化学になると安全とは断定できません。ヨウ素を使った実験で、水素が発生するマグネシウムを使うと、最初は還元作用が働き、透明な液体へ変わります。しかし、もう一度同じ反応をさせると濁った緑色へと液体が変化します。そのため、水素を発生させたマグネシウムがどのような状態になっているかわかりません。そのため、マグネシウムを使って水素を発生させた商品は、使わないことのほうが無難です。
しかし、ホウ素(ここでは水素化ホウ素)は、ホウ酸団子にも使われるような劇物です。これが、体内に入ってくると考えると、人体への影響は否めません。原材料表示が唯一の頼みの綱ですが、それすらも裏切られているのであれば、水素サプリは信用できなくなります。
商品の効果に関するエビデンスだけでなく、原材料に関してのエビデンスも出しているところのメーカーを選びたいですね。
サンゴカルシウムやゼオライトに関する記載はない?!
今回、学会に研究報告された水素サプリメントの原材料は、水素化化合物に関してです。水素サプリに使われている水素発生剤は、他にもサンゴカルシウムや精製岩塩、ゼオライトがあげられます。これら3種類に関しては、今回言及されておらず、フラナガン水素と呼ばれている原材料に関しての警鐘だと思われます。
水素の第一人者としてメディアに認知されている、太田教授も水素化ホウ素に関して言及されており、騙されてはいけないと伝えています。
では、サンゴカルシウムやゼオライト、精製岩塩に関してはどうなのでしょうか。サンゴカルシウムを代表する多孔質の素材は、天然素材でもあり、特に沖縄を中心に食されています。それに水素加工(水素を吸着・吸蔵した加工)を施し、水と反応することで水素分子が切り離される構造です。
ゼオライトに関しても同様ですが、食品添加物としては、0.5%以下にする必要があります。精製岩塩は水に溶ける過程で水素が発生すると言われてますが、専門家の中には懐疑的な見方をしている方もいます。理由としては、精製岩塩を使用している水素サプリの原材料を見ると、酸化マグネシウムやサンゴカルシウムが添加されているためです。また天然素材とは言え、ナトリウム過多になるため、別の問題も考えられます。
とは言えフラナガン水素(マイクロクラスター)と思われる原材料に関して、問題視していると推測できます。
原材料から推測できる?DHCを含めた広告力のあるメーカー
今回の研究報告では、インターネットでよく見る水素サプリメントという表記しかされておりませんでした。何から水素が発生しているのがわからず、最後に原材料として水素と書かれているのは、DHCの水素サプリ「SUPER H2」が有名です。
澱粉、ヒマワリ油/セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カリウム、炭酸カリウム、ステアリン酸Ca、微粒二酸化ケイ素、硫酸マグネシウム、水素
DHAやEPA、DPAが配合された姉妹品も原材料表示は見ていてよくわかりません。
精製魚油、食用油脂、ビタミンE含有植物油、黒ゴマエキス末、ヒマワリ油/ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カリウム、微粒二酸化ケイ素、炭酸カリウム、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、硫酸マグネシウム、イカスミ色素、水素
その他、インターネットでよく見る商品といえば、「メガハイドレード」や「すごい水素」といった商品です。これらは、昔からあるサプリメントですが、最近では、マイクロクラスター(フラナガン水素)を原材料とした水素サプリメントが出回り、警鐘を鳴らしている団体もあるくらいです。
消費者が賢くなって、自分の身は自分で選ぶことが重要でになってきますね。もしくは、水素マガジンはユーザーに寄り添った情報発信や商品紹介を行っていきますので、チェックしてください。
まとめ
水素サプリメントに関する研究報告がMiZ株式会社より「日本分子状水素医学生物学会」にて発表されました。インターネットでよく見かける水素サプリの内容分析をしたところ、水素化化合物が検出されたようで、内容成分としては、水素化マグネシウムや水素化ホウ素ナトリウム、もしくは水素化ホウ素カリウムが使われている感じでした。これらは、厚生労働省から食品添加物として認定されておらず、人体に対して何かしら影響があると推測されます。
どの商品かは明かされていませんが、景品表示法と食品衛生法に抵触するため、該当するメーカーは、水素業界健全化のために、自ら正して欲しいですね。
健康産業は、しっかりとしたところが長期的に生き残っていきます。当たり前ですが、利益第一主義ではなく消費者に愛される健全な仕事をしていく必要があるでしょう。