ちまたで話題の水素水。水素は健康にいいとイメージが広がっている昨今、専門家は効果なしと警鐘を鳴らしていることも。今回は、水素水についての秘密を追求していきます。なぜ専門家が水素水において「効果なし」といっているのか、気になりませんか?
本当に効果がないのであれば、水素水について溢れかえっている情報も嘘なの?!
と疑心暗鬼になってきませんか?
水素水がコンビニでも置かれるようになり見る機会が増えました。一般的なミネラルウオーターと比べて2倍から3倍近くするものもあります。健康にいいからというイメージだけで購入してしまうのは本当にメリットがあるのでしょうか。
正しい知識を身につけて、消費者としては健康にいいというイメージだけで踊らされることは絶対に避けたいところです。水素についての理解を深めれば、自分の健康についてどのような選択を取るのがいいのか判断できるようになります。
今回のテーマである水素水についても効果の期待できる商品も進んで選べるようになるでしょう。
水素という性質を知ろう!結果、水素水が効果なしという理由がわかる
水素は、この世の中で一番分子量が小さく一番軽い気体と昔、理科の授業で習ったと思います。水の中にも水素分子は含まれており、水素分子(H2)と酸素分子(O)が結びついて水になります。
ちなみに人体に有害だといわれている悪玉活性酸素が体内に発生した時、水素が働き還元反応を起こしてくれるため水になるのも理屈的にはわかります。そのため、水素には抗酸化作用があるといわれているのです。
しかし水素単体で見ると優秀な物質ではあるけれど、分子量が小さくて軽い気体という性質上一箇所にとどめておくのが難しいといわれています。つまり、放っておくとどこかに飛んでいってしまうのです。つまり、水素水の中の水素もなくなってしまう可能性もあり、効果なしといわれている所以なのです。
水素水の中に入っている水素はどこへ行く?!
水素水は、水素ガスを水に添加して作られます。
無理に作られた水素水は非常に不安定な状態です。不安定な状態を保っている水素水は徐々に元の状態に戻ろうとし、水素が少しずつ抜けていきます。
コップに水を入れて「水素スティック」を活用し水素水を作った場合、入れている間は水素が発生し続けるのかもしれませんが、抜いた途端、徐々に水素が抜けていきます。そのため、できるだけ早く飲んでくださいと伝えられています。
その他、ペットボトルに入れられて売られている水素水も問題です。プラスチックは水素分子が通過してしまうため、製造された段階では水素が配合されていたとしてもお店に並ぶ頃には減ってしまいます。下手をするとほとんど入っていないかゼロの状態になってしまいます。もし、飲む頃には水素が入っていなければ効果なしといわれても受け入れるしかありません。
そのため、いかに水素をとどめておくかと工夫されています。一般的にアルミ容器なら水素分子が通過せずとどめておけるといわれています。しかし、アルミ容器に入っている水素水では、水素をとどめておくことができません。アルミボトル満タンに水を入れることが製造上不可能なため、飲み口の付近に空気が入り込みそこから抜けてしまいます。せっかく溶解させた水素が時間とともになくなり、アルミボトルの中にある空間に充満されることに……。お手元に届き、蓋をあけると「プシュッ」という音とともに水素が逃げてしまいます。こういった場合も水素が入ってないのだから、効果なしといわれるでしょう。
その結果考えだされたのがアルミパウチ形状のものです。アルミパウチ形状のものも飲み口があるものは信頼できません。なぜならば、飲み口自体がプラスチックでできているため、そこから水素が逃げ出してしまいます。
もし、ちょっとした効果を期待して水素水を選ぶならば完全に密封された空気の入り込んでいないアルミパウチのものを選ぶといいでしょう。
水素水が効果なしといわれる理由は水素の性質にあった!
水素水について調べていくと効果なしといわれている理由は、水素の性質にあります。
- 水素は通り抜けやすい物質で、パッケージの表記とのズレがある
- 水素は無味無臭であるため本当に入っているのかわからない
- 全く入っていないのに水素水として販売している業者がいる
通り抜けやすい物質というのは前項でも解説した通りです。なおかつ、無味無臭なため、実際に入っているか消費者の観点からするとわかりません。これらの水素の性質を利用して、あたかも水素が入っているかのように表示し(製造過程では入っているのかもしれません)、販売している業者がいることからです。
また売上を上げていくために過熱した広告戦略やキャッチコピーなどユーザーが誤認するような方法で広告している業者が多いことも要因で、変に認識してしまった消費者が実際に体感しなかったという怒りから、「水素水=効果なし」といった感情も込められている気がします。
また、水素水を活用しようとする人はもともと健康の方か色々な健康知識の高い方で、きっと水素水以外にも様々な健康法を試していることでしょう。つまり、期待値以上の効果が得られなくて「効果なし」と思ってしまったか、水素水で体感したという意見も実際に水素水が作用したのか疑問です。他の健康法を行っているのであれば、そちらの方の効果が出たという可能性も否めません。
自分にとって価値のある情報を取捨選択し、活用していくことがいいといえるでしょう。
ちなみに、一度に飲みきれる量ってどれくらい?!
アルミパウチで完全に密封された水素水を選んだとしても、できるだけ時間をおかずに飲みきれる量の水素水のほうが良いです。
例えば、500mlなどの水素水は、ペットボトル飲料をイメージしてもらうとわかると思いますがおそらく複数回に分けて飲み切ると思います。その間、トータルで5時間を越すことも。
水素水が空気に触れた時に5時間も経過してしまったら完全に水素は抜けてしまいます。
量が多いからといってプラスかというとそうゆうわけでなく、出来る限り一度に飲みきれる量のアルミパウチを選ぶと良いでしょう。
コップ1杯がおおよそ190ml程度なので、多くても200ml程度の量に小分けされたものを選ぶと良いかもしれませんね。
日田天領水をはじめとする天然の活性水素水は?!
天然に湧き出ている水素水は、いわゆる活性水素水といわれており世界各地に実在します。『ドイツのノルデナウ』、『フランスのルルド』、『メキシコのトラコテ』『インドのナダーナ村』、『パキスタンのフンザ王国』。日本では、『大分県日田市』が有名です。これらは、一般的にいわれている水素水と性質が異なり、安定した存在であるといわれています。『日田天領水』の報告では、九州大学に依頼して5年間保存しても変化なしというのが研究結果がわかっています。
しかし、ちまたで話題の水素水と活性水素水は全くの別物で分子構造も違います。これらの活性水素は炭酸水素イオン(HCO3-)のことで水素分子とは違うものです。どれだけ多くの活性水素水を飲んだとしても、水素とは違うものなので同様の効果が得られるとはいいがたいです。活性水素水を水素水と思って飲んでも水素水と同等の効果なしと考えられます。
日田天領水をはじめとする活性水素水は通常の水とは成分が違うものなので健康的に何かしらの影響を与えてくれる可能性があります。しかし、水素を取り込みたいという観点から考えると目的がズレてしまいます。とはいえ、日田天領水は品質が高く、「モンドセレクション金賞」や「iTQiの最優秀味覚賞を受賞」といったことから外部機関からの評価も高いです。
水としての品質は高いので、水素の効果を得ようと考えるのではなく、ミネラルウオーターとして飲むならいい水といえるでしょう。
専門家が語る水素の量について│臨床的に効果あるのはどれほど?!
水素水が消費者の手元に届く頃に水素濃度が全く変わらなかったとしても、飽和溶存水素量は1.6ppmといわれています。これは常温常圧で溶け込む量といわれています。加圧して限界以上の水素濃度の水素水が得られたとしても大幅に増えることはありえない。
ちなみに、1.6ppmならば1リットルあたりの水を飲んで体内に得られる水素の量は、1.6mg程度です。1日に2リットルの水を飲んだとしても、3.2mgしか水素の量を取り込むことができません。
効果があるといわれている量からしたら、3.2mgは微々たる量なので効果があるといえるかというと難しいところです。
専門家によっては、効果なしと言い切る方もいるでしょう。
人が必要としている水素の量
人体が必要としている水素の量はいったいどれくらいでしょう?
体内の入った水素は、細胞の中にあるミトコンドリアが使用し高エネルギー物質を生み出しています。細胞一つにつき平均1,000個のミトコンドリアがあり、人体の細胞はトータル60兆です。つまり、人体の中には単純に計算しても60兆の1,000倍(6京個)のミトコンドリアが存在しています。
6京もの膨大な数のミトコンドリアが1日の間に水素を使って生み出す高エネルギー物質の量は、体重と同等か30%増の量と考えられています。私たちは天文学的な数の水素原子をすべて食物から摂取しているのです。水素水2リットルに含まれている水素の量が最大で3.2mgだと考えると水素水が健康増進の効果があると考えるには、ちょっと厳しいように思えます。完全に効果なしとはいいがたいですが、劇的に良くなったというのは起こりえないでしょう。毎日飲み続けて、長期間経て変化があるかもしれません。
おそらく水素水を飲んで健康になったというのであれば、それは水素水のチカラではなく、他の要素が強かったと考えられます。もし、効果を求めるのであれば、摂取する水素の量を10倍~20倍程度に増やす必要があります。つまり、水素水でいうと20リットルもの量を毎日飲み続けなくてはいけないということ。そんな量を飲むのは不可能で物理的に水素水で健康に対する効果を得ようとするのが無理な話です。これらのことから、水素水を飲むだけでは効果なしといわれてしまうのです。
多くの会社が水素水の魅力に取りつかれ参入するのはいいです。しかし、科学的根拠を示さずイメージだけで売ってきた弊害ともいえるかもしれません。理屈をしっかりと理解し、自らがいいと思い、自己責任で選択することが大切です。
目的は水素水を飲むのではなく水素を取り込むこと
水素水は手軽に水素を取り込めるので便利です。水素の量が理論的に1.6ppm程度の濃度だとしても長期的に続ければ体感することもあるかもしれません。普段飲んでいる飲用水を水素水に変える習慣は、健康的に考えるとプラスと言えます。少量でも効果なしとは言い切れないためです。
しかし、今一度考えなくてはいけないことがあります。
それは、水素水を飲む目的は水素を取り込むことで、水分を補給することではないはずです。
ということは、水素水は水素を取り込む形としては一つの方法であって、体内に水素を取り込むためにもっと効率のよい方法があればそちらを選択肢にしてもいいはずです。
水素サプリメントによる水素摂取
水素サプリメントによる水素を体内に取り込む方法について考えてみます。
水素サプリメントは、様々なものがあります。その中でも一般的に活用されているのはサンゴ粉末を利用したもので、サンゴ粉末の主成分は全体の35%を占めているカルシウムです。このカルシウムに大量の水素を吸着させて、水素化カルシウムを作ります。
サンゴは、成長過程において海水中に含まれる多種多様なミネラルを取り込んでいるため、主成分のカルシウムの他、カリウムやマグネシウム、銅や鉄、リンなど多数の必須微量ミネラルも含有しています。
水素サプリメントは、水素を摂取するだけでなく数々のミネラルも合わせて取り込めるためバランスが良いといえるでしょう。水素サプリメントは水に溶けると水素を発生し続けます。サンゴカルシウムに吸蔵された水素は何時間にもわたり体内で放出し続けます。その結果、水素を体内に取り込むことができます。
しっかりと設計された水素サプリメントは、体内に入り込むと長時間にわたり水素を供給してくれる優れものなのです。
水素水に比べると、摂取できる水素の量は全然違います。
コストパフォーマンスが最高?!水素ガスの吸引による水素摂取
水を電気分解することで、水素と酸素の割合が2:1でガスが発生します。この混合気体を吸引することで水素を取り込むことができます。この方法は、コストパフォーマンスが一番いい方法といわれています。水素サプリメントと違い、原材料は水なので原価は安く収まります。
水素ガスと酸素ガスの混合気体を鼻腔から吸引することで、健康に対して効果の期待できる水素を体内に取り込むことができます。水素水に比べるとかなり多くの水素を体内に取り込むことができるので、優れた方法といえるでしょう。
自分の健康のためにできること│お財布の健康も一緒に守ろう
自分の健康増進のためにどういったことができるでしょうか。
水素水に頼るのは一つの方法としていいかもしれません。しかし、過信しすぎてはダメです。そんなの効果なしといわれてしまいます。
水素水に対し健康的なイメージを持ったとしても、つい購入してしまい楽な道へと進んでしまう人もいます。飲む水を意識することは大切かもしれませんが、水素水に変えるだけで、劇的に健康になるというのは疑問です。どれくらい入っているのかわからないものに対し、お金をかけるならそれ以外の健康法にお金をかけた方がいいかもしれません。トータル的に良くなるために日々の生活習慣を見なおした方がいいでしょう。
もちろん、水素に対しての可能性や効果は実証されているので、水素にこだわるならば体内に取り込まれる量と期待したい効果です。
まとめ
水素水の噂「効果なし」に関して徹底追求してみました。
水素としては効果が確認されていたとしても、水素水になると効果は疑問視されています。それは、水素の気体が世の中で一番軽くい物質で、プラスチックや空気などからどんどん水素が抜けてしまうことからです。つまり、製造過程では入っている水素も時間の経過とともになくなってしまう可能性が高いのです。
また、水素が抜けないように工夫したとしても、常温常圧で添加できる水素濃度は、1.6ppm程度です。臨床的に効果があるといわれている水素の量からすると全然足りないのです。ゼロよりかはマシ!と考える人もいるかもしれません。健康の意識が高まることによってトータル的に健康的になるというのはありえることです。しかし、水素水単体に限ってはいささか疑問が残ります。だから、専門家は水素水について「効果なし」と語るのです。