健康博覧会2018で、水素関連会社の挨拶まわりをしていた時に、図々しくもサンプルをいただきました。元々用意していたものであればまだしも、商品として売り出しているものを、そのまま丸々いただいてしまったので、感謝の代わりに紹介と実験レポートとして掲載することにしました。
振り返ると水素サプリの実験を行うのは久しぶりで、どのような結果になるか楽しみです。
丸裸にするのは、株式会社アレンの『ハイドロゲンインナーセラム ウェルネス(HYDROGEN INNERSERUM Wellness)』というもの。ピュアな水素だけでなく、冬虫夏草や霊芝、舞茸と滋養強壮を促すような和漢成分がプラスされている水素サプリです。こちらは、会社の方いわくサロン専売品ということで、一般流通されていないもの。そのため、知る人ぞ知るサプリといった感じです。
岩塩に吸蔵したマリンハイドロミネラル!水素の力は?
ハイドロゲンインナーセラム ウェルネスの原材料や内容量を見てみましょう。
デキストリン、マリンハイドロミネラル、乳糖、冬虫夏草菌糸体末、マイタケエキス末、霊芝抽出物、ゼラチン、ステアリン酸カルシウム、二酸化ケイ素、着色料(カラメル)
▼栄養成分表示(2カプセルあたり)
エネルギー:2.81kcal
タンパク質:0.23g
脂質:0.01g
炭水化物:0.44g
ナトリウム:85.73mg
●重量・内容量:1カプセルあたり重量492mg×60カプセル
●使用量:1日あたり2カプセルを目安に使用
原材料から見てみると、デキストリンが先頭に記載されていますね。デキストリンは食品扱いなので、おそらく、先頭に書かれていると推測できます。デキストリンは、低分子化した澱粉(てんぷん)のことです。DHCの水素サプリ「SUPER H2」を見てみると、「澱粉」と最初に書かれており、同じような用途だと考えられます。
健康の観点から見ると別に入れなくても良いはずです。ではなぜ、入っているのでしょうか?
吸着剤とも言われ、「カプセルに詰める時にやりやすくするため」と予想されます。ちなみに、ダイエット系の食品に入っている難消化性デキストリンとは別物です。
メインはマリンハイドロミネラル(水素)と冬虫夏草+霊芝+舞茸
「ハイドロゲンインナーセラム ウェルネス」の設計は、「原子状水素」に「冬虫夏草」「霊芝」「舞茸」をブレンド。元気ハツラツするような設計思想で、ミネラルに滋養強壮要素を追加したものです。愛用する方に疲れやすい現代人に元気になって欲しいと願った感じがします。
おしゃれなパッケージには、以下の様なことが書かれています。
- ①眠りが浅く寝付けない
- ②疲れやすい・疲れが取れにくい
- ③最近老けたように感じる
- ④食生活が乱れている
- ⑤以前より太りやすくなった
- ⑥生活習慣病が気になる
- ⑦紫外線を浴びることが多い
- ⑧いつまでも健康を維持したい
使い続けて、悩みを解決できるような効果があれば嬉しいですね。
薬のような小分けは海外向け?
水素サプリの多くは、袋に入れているものが多いです。しかし、ハイドロゲンインナーセラムは薬のように小分けにしています。こちらのほうがおしゃれな感じがしており、使いやすくもあります。密封されているように思えますが、どれくらい空気が通るかわからないため、評価は難しいところです。
水素サプリは、保存環境が繊細で、どんなものでも湿気が多いところではダメになってしまいます。
小分けしているのと乾燥剤(シリカゲル)のどちらの方が水素サプリにとって快適な状況かは不明ですが、いつかは実験してみたいですね。
実録!酸化還元電位(ORP)や溶存水素濃度は?数値を出してみてわかること
水素サプリのスペックを測る場合、専門機関に依頼するのがベストです。しかし、検査するためにはかなりのコストがかかるため、避ける企業もいます。ましてや個人で何十万円もコストをかけるのは非現実的であるため、簡易的な検査で推測しております。
実験環境としては、水素サプリを水に溶かし、3分間撹拌します。その後、5分間おいてから、上澄みのみを検査します。そうすることで、どれくらい水素が水に溶けるか、知ることができます。
断っておきますがこちらの値は、メーカーが公式発表している数値より低いことの方が多いです。設計上すぐに水素発生が最大値になるものもあれば、時間が経ってから、最大値になるものもあります。また、水素サプリの粉は、触れている限り水素が発生し続けるため、溶存水素計などの数値が上がり続けます。
MiZ(メチレンブルー試薬)を使用した実験では、ずっと水素が発生し続けるため、水素サプリによっては、永遠に中和されてしまうのです。
マリンミネラルのスペックは?!ORPは-190mV、溶存水素計は191ppb
上澄みだけの液体をスポイトで取り、酸化還元電位計(ORP Meter)と溶存水素計、溶存水素濃度判定試薬「MiZ」での測定実験。水に原材料を溶かし、ヨード液を使った実験を行いました。
水素だけの酸化還元電位は、-420mVが最大値。それより低い値を示すなら、水素以外が反応していると言われています。そして、溶存水素は、飽和している状態が1.6ppm(1,600ppb)です。どこまでそれらの値に近づけるかが鍵です。
今回、測定した値は以下のようになりました。
溶存水素濃度:191ppb
MiZ:2滴(1滴でおおよそ100ppbを測定)
なぜ、計測器における溶存水素濃度が上記のような値になったのか。冬虫夏草や霊芝、舞茸などを合わせて配合しているため、水素が発生する原材料が少なくなってしまったからなのでしょうか。
なお、この実験が完璧とはいいませんが、同じような測定を行った他の水素サプリの方が、数値は高かった結果は得られています。
ヨード液は透明にならず………。効果はいずこへ?
ヨード液を使った実験でも、酸化還元反応から水素がどれくらい使われたかが分かります。水にヨード液を溶かすと茶色になりますが、水素パウダーを入れ、水素を発生させると中和されて透明になります。透明にならない場合、水素が使われなかった。もしくは、水素は発生したけれど、中和できるくらいの十分な量がなかったということになります。
結果は、反応なし……。色も変わらず。
臭いは硫黄臭?カプセルから出さない方がいい!味はしょっぱい
水素が発生するマリンハイドロミネラルだけでなく、冬虫夏草や霊芝、舞茸が配合されているため、カプセルから出し、水に溶かしたときの臭いは強烈でした。とは言え、飲み方はカプセルと水、またはぬるま湯で一気に流し込むため、この臭いがゲップなどで出てくることはないでしょう。
また、舐めてみたらしょっぱく、岩塩に吸蔵しているというのがわかります。岩塩を使用したサプリは、ナトリウム摂取量が上がるため、必要な成分ではあるものの摂り過ぎ注意です。
数値の結果を株式会社アレンに問い合わせと所感
これらの数値に関して、もっと深く知りたいと思い、メーカーはどのような見解をもっているのでしょうか。思い切って問い合わせしてみました。
回答が得られただけでなく、色々と質問を出してみたので、それらの回答も合わせて記載します。
溶存水素計の値に関してはノーコメントで、実験環境によって数値が変わることも把握しているそうです。ちなみに、再度カプセルの中身を水に溶かし、測定してみると、273ppbという結果がでました。その後、時間経過と共に数値が落ちていき、不思議な体験をしました。
溶存水素測定試薬MiZに関しては、反応しないというエビデンスを得ているそうで、こちらの実験と同等ということみたいです。
ミネラルに原子状水素を吸蔵させているらしく、ミネラルの中身まではお答えできませんとのこと。ちなみに、水素を吸蔵させる場合は、極小の孔がたくさんある多孔質の素材だからできるのです。表面に吸着させることなら多孔質でなくてもできるのですが、多くの水素を保持できないそうです。
メールでやり取りをさせていただきましたが、社内用のエビデンスは取得しているそうですが、薬事の関係で非公開とのことで、確信に迫るような質問に対しても、明確な回答が得られませんでした。
どのように代理店やお客様に説明しているのか、とても気になりますね。
まとめ
「ハイドロゲンインナーセラム ウェルネス」の水素発生実験を行いました。
酸化還元電位は、約―200mV、溶存水素も200ppb程度でした。水素の測定実験は、簡易的なもののため、完璧ではありません。信じるか信じないかは読者さま次第です。しかし、滋養強壮サプリとしては効果がありそうです。
どのサプリを使うかは、使う側に取捨選択あります。きっちりとした情報から、自分にぴったりなサプリメントを選ぶと良いでしょう。
誤った表現があり、関係者には大変ご迷惑をおかけしました。深くお詫び申し上げます。